**************************マヨの騎士5
「…おい、あれは何だ?」
土方は、数日前から気になって仕方がない事があった。
よろず屋の人間が、毎日、真選組屯所の前に居るのだ。
「さぁ…あ、この前、を連れて来て騒いでたらしいですよ」
「…って何だ?」
「グラビアの子ですよ。あの雰囲気がなんとも言えず可愛いんですよ!」
言い終わると同時に、土方は若い隊士の頭を鷲掴んだ。
「マヨネーズは自腹で買わねえくせに、エロ本は自腹で買うってか」
「給料の使い道は、個人の自由でしょおぉぉ!?」
青年隊士の頭を解放すると、また土方は忌々しげに、門の外を睨んだ。
「何で、あいつらを放っておくんだ!?」
「仕方ないでしょおぉ?!居るだけで、邪魔する訳じゃないんだから。警察が一般人を無理矢理どかしても波風立つじゃないですか!」
そこまで聞くと、土方は煙草に火を点け無理矢理に、煙で深呼吸した。
「もういい。俺が直接言って来てやる」
「おい。テメエら、そこで何やってんだ」
「やっと来たヨ。ニコ中」
溜め息混じりに、神楽が言うと、土方の頬が引きつった。
それを見た新八は、慌てて、二人の間に割って入る。
「いや、あのっ、土方さんは昔京都に居た事あるんですか!?」
「いきなり何だ?」
「いや、人探ししてて…さん…ご存知ですか?」
「知ってるが、どうかしたのか?」
「…土方十四郎さんを探してるんですよ。多分、あなたで間違いなさそうだから、写真を見せますね」
新八は懐から封筒を取り出して、土方に渡した。土方も、封筒を開けて、写真を見る。
「この人がさんです。見覚えありますか?」
「……」
土方が無言になった。
「水着の女の写真を持ち歩くたぁ、相当なムッツリ助平ですぜ」
後ろから声がしたので、振り向くと沖田が立っていた。
「水着!?そんな事言ってなかったけど…」
「すごいネ!このビキニ、紐ぱんアル」
「ひっ紐おぉぉ!?」
「こうしちゃ居られねぇや」
沖田が屯所に戻ろうとしたら、土方が首根っこを掴んで止める。
「テメエ…何するつもりだ」
「え…別に?」
沖田は拡声器を持って何喰わぬ顔をしている。
「嘘つけえぇぇ!!俺の良からぬ事を言いふらすつもりだろうが!!」
「心外だなァ。俺は真の姿を皆に伝えて、土方さんを楽にさせてやりたいだけでさァ」
沖田は、土方の腕を解くと、一目散に屯所の中へ駆けて行った。
“副長は異常性欲者”などと叫びながら…。
「総悟おぉぉ!!待ちやがれ!!」
土方も追って中へ入る。
「待つネ!の事知ってるアルか!?」
「知ってるが、それどころじゃねえ!!」
新八と神楽は残されて、唖然としている。
「…写真、持ったまま行っちゃったよ…」
銀魂一覧
宜しければ感想を下さいませ♪メール画面(*別窓)
2006/12/11