“へ。
お元気ですか?私は、最近、就職出来ました。
多分前の仕事より大変だと思うけど
このご時世、就職出来ただけでもめっけもんかなと思ってしばらく頑張るつもりです。
P.S.また『かぼす』について語り合おうね!
より。”
*-*-*-*-*-*
最近、私はガンマ団の事務員試験を受け、晴れて再就職出来た。
戦闘と事務は分けて考えているらしく、至って常識的な筆記試験と面接を受け“特戦隊”の事務員になる事が出来た。
仕事の内容は…
・プライベートスペース以外の掃除。
・洗濯。
・隊員の予定に合わせてご飯を作る。
・支出を管理し、本部へ報告する。
・隊員達へ給与を手渡す。(←これは私たっての希望で、手渡し係りに就任)
…ほとんど主婦…。お母さんの苦労が、この年になってやっと分かった。
普通の事務だけではないから、そりゃあもうお給料は、前の会社と比べ物にならない程いい。
人間関係は、マーカーさんとGさんが不安要因だ。
Gさんは生来の無口なのか、話掛けても一言しか帰ってこない。たまに無言の時もある。
マーカーさんからは、この前皮ジャンを洗濯機で洗ってしまい嫌味を言われた。
まだ1ヶ月位しか経っていないから、まだまだ不安要素とと思い込むのは早いかも知れないけど…。
ロッドさんは歩くセクハラ…じゃない、歩く口説き文句マシーンみたいなもので私が傷つく様な事は言って来ない。
隊長さんは、天然○ャイアンみたいな人なので、仕方ないかとも思えた。
適当に同僚男性に、良く思われる方法なんて分からないから、毎日ちょっとずつ悩んでいる。もしかして、職場の人間関係が希薄だったから前の会社でリストラ対象になったのだろうか?
「」
ハっとして我に返る。マーカーさんが洗濯室の入り口に立っていた。
「まだ夕食の用意をしていない様だが」
「あ!すみません!これたたんだらスグ準備します」
「いや、いい」
そんな!私の作るメシはマズイってか!?
「…変に勘ぐるな。手が空いている時は、手伝ってやる。それだけの事だ」
知らない間に顔に出ていたらしい。私のアホ…素直な顔筋!
マーカーさんの言葉には、何故か毒々しさは感じられなくて…考えてた事を私の中で撤回させる。
「ありがとうございます!でも、私の仕事だし…すぐ支度しますから」
マーカーさんは、表情を変えず、少し口角を上げた。
「そこまで肩肘を張らなくてもいい」
マーカーさん…実は優しい人だったんだ…。嫌味だと思ってごめんなさい!皮ジャンは、私がキチンとしてないから怒っただけだったんですね…。
「…久々に、肉を遠慮無く切りたいしな…」
…怖いけど、優しい人なんですね…。いや、その笑顔が怖いけど…!
「あ…じゃあ、豚バラだけ食べやすく切っておいて下さいマスカ…。たたんだら行きマス…」
今まで生きてきた中でこんなに必死に笑顔を作った事ない!ってくらい頑張った。
*-*-*-*-*-*
「今日の夕飯、マーカーが手伝ったんだってぇ?」
夕ご飯を食べ終わった後、ロッドさんがマーカーさんに話しかけてた。
「苦情は受け付けんぞ」
「まぁまぁ。押し付けがましくないように手伝えたのぉ?」
「…貴様のアドバイスは二度と聞かん」
もしかして“肉が切りたい”って…マーカーさんなりの心遣いだったのだろうか?
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2007年2月16日