突然、侑士の声が聞こえたと思ったら後ろから腕が巻き付いてきた。

あれ。ええと。あの、その…。うん?

「えええ?!何で、どうして居るの?!」

「ほんまは置くもの置いたら帰ろ思たんやけど…やっぱりが一生懸命捜してくれるとこも見たなってな」

「でも、明日学校でしょ?朝練とかどうするの?!あ、そういえば、ご両親は?」

「ああ。その辺は抜かり無いで。アリバイも朝練対策もバッチリや」

侑士の腕が緩んだので、身をよじって後ろを向いた。
いつも通りの、涼やかで落ち着きのある笑顔。
見惚れていたらキスをされてしまった。

私の顔は、すごい勢いで熱が集まる。

「なぁ、指輪嵌めてるとこ見せて?」

「…うん」

右手を差し出したら、侑士はまじまじと私の手を見た。
…恥ずかしいかも。

「…手作りなんでしょ?私の指に合ってて、びっくりしちゃった。」

「そらなぁ。付き合い長い彼氏なんやから、の指のサイズはいつも気になっとったよ」

そう言って、侑士は指を絡めてきた。
なんでだろう。今、キスしたばかりなのにドキドキする。

、明日は何したい?」

「…一緒に居たい」

明日は侑士の部活は休みだし、私は残業断固拒否するし…本当のところ、侑士が一緒っていうのが重要なのだ。

…侑士の手が、カットソーの中に侵入。
ああ、これから…日常生活で考えられない位近付くね。

私はOKと言う代わりに、侑士に口付けた。



【今度こそ“了”】
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2007/11/26