散々スクールデイズ。



自己中心的な人が多過ぎる。
最近は不景気だし、昨日見たニュースでは国民の払う税が多くなるとか言っていたし…。大人はイライラ、子供も連鎖でイライラ、八つ当たりだってしたくなるかも知れない。
そして、何かと私に面倒が巡って来る率が多い気がする。

今日も、中々巡り会わせの悪い日だった。

まず、日直で日誌に回された。(私は、日誌が大嫌い。だって面倒臭いじゃない。)

英語係りの片割れが休んだから、昼休みにOHPを一人で運んだし。(これが重いんだ、半端なく。)

友達に借りパクを疑われたし。(結局、私の次に借りた子がCDを持ったままだったよ…。)

テニス部で居残り練習してたら、部長から一年生の生活態度について注意されて、夜九時近い時間までお説教された。(しかも、私は注意された事に一個も引っ掛かってない。にも関わらず、明日皆に言わなきゃいけない…本当、不公平!)

今日は居残るつもりだったから、お母さんから夕食代として三百円貰ってた。ツイてなかったから、自分へのご褒美にイチゴ牛乳とシュークリームを買おう。

学校から一番近いコンビニに入ると…野球部の面々が駐車場に固まってた。
部活全体で残るなんて、野球部くらいだよね。

私は「お疲れ様ー」と一言声を掛けてコンビニに入った。中は涼しくて、汗も冷えて気持ちいい。

ちょっと奮発して、苺シューとイチゴ牛乳の生乳65%を手にとる。会計を済ませたら、またあの熱気の中に戻らなきゃ…。

でも、ずっとコンビニに居る訳にいかないから、覚悟を決めてレジ。レジからドアへと歩んだ。

、お疲れー」

ドアを出たら、泉君が居た。あ、まだウチのクラスの三橋君と田島君も居た。

さん、お疲れ、さま…っ」

「お疲れー!」

私は、ストローを取り出しながら「お疲れ様」と言う。

そう言えば…昼休みに三橋君がシャツの裾がほつれてて、中々縫えなくて困ってたっけ。
見ててもどかしいから「貸して」って言ったら、田島君が便乗してシャツのボタン付け(しかも、上から三個がキレイに取れてるんだよ!)も持って来て…私は私でOHPを持って来なきゃだから、焦った、焦った。
泉君が見兼ねて助けてくれたけど。
アンラッキーな中で、泉君だけ助けてくれた。地獄に仏ってやつ?
泉君が裁縫得意なんて意外だったけど。

「テニス部、こんな遅いのか?大変だなー」

「ううん。今日は私と部長しか居残りしてないんだ。たまたまだよ。そっちこそ、いつもお疲れ様」

泉君が話し掛けてくれたので、イチゴ牛乳を飲み飲み話す。

「そう言えば、泉君って裁縫得意なんだね。びっくりしちゃったよ。ありがとう。助かった」

私が、昼の御礼を述べたら、田島君がびっくりしたような表情で話に入って来た。

「えー!?泉、そんな得意じゃないって。ホラ!」

田島君がシャツのボタンを付け直した部分を、私の目の前に持ってきた。
穴の部分にはこんもりと糸が通っていて、お世辞にもキレイとは言えない。

「あと、三橋のもっ」

「ひぃっ」

田島君が、三橋君のシャツのほつれた部分を掴んで持ち上げたら、間隔が大きめに糸が走っていた。ざっくばらんに。
いきなり服を掴まれた三橋君はびびって、顔を赤くしてる。

「なんだよ、田島ー!お前が付けるよりは、しっかり付けただろー?」

泉君は怒ってるのか、少しずつ眉を寄せて、顔を赤くさせて苦言を述べる。

「あはは!まーね、ありがと、泉!」

「お、俺も、して貰っ、て、ありがと…」

三人のやり取りを見ると、本当に最初の頃より仲がいいんだなと思う。…というより、三橋君が若干明るくなったと言う方が正しいかも。

「あ、。帰り、こっちだよな?」

「え。うん。」

私がイチゴ牛乳を飲みながら、ぼんやりとしてたら泉君が私の帰る方向について聞いてきた。

「俺も。一緒に帰ろうぜ」

「そうなんだ?うん。一緒に帰ろう」

私が同意したら、田島君が「じゃ、俺らもそろそろ帰るなー」と三橋君の肩を掴んで、三橋君がびくついた。

「うん。また明日なー!」

「バイバイ」

私たちは、自転車を押して歩き出した。


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